ワックスモデリングによる手法では、必ずワックス(ろう)から、シルバー(金属)に転換する
工程を経ます。
そのプロセスを含んだ完成までの流れを説明します。
続いて<キャスト>(鋳造)のプロセスを紹介していきます。
ワックスによる手法の場合、必ずキャスト(鋳造)をしなければいけませんが、しかし、素人
ではなかなか着手しにくい機材や技術を要する為、専門業者に発注して行うのがほとんどです。
ではキャストの一連の流れを図解で記載します。
では実際にワックスを造形する、アイテムの製作工程を紹介していきます。
リングを製作する場合は、元からリング状になった”チューブワックス”を使用します。
ここで紹介するアイテムでは、中でもトップにボリュームをもたせるデザインに合う”印台型
チューブワックス”を使います。
デザインに沿ったサイズをチューブワックスに工具で(難し
くない作業なので先端がとがっているものならば、特に限定
しません)刻み込み、糸ノコギリでカット。
作業中やキャス
トによる目減りを考慮し、気持ち大きめにとります。
次に、回転させて周囲を削る工具”リーマー”で、チューブワッ
クス内径を求めるリングサイズに削り、広げていきます。
先端直径が細く、小さい号数、手元が太く、大きい号数が測
れる”サイズ棒(芯金)”で、リング内径を確認しながら削っ
ていきます。
また、リーマーは力加減や角度を微妙に誤っただけで、
真円が崩れてしまうため慎重に。
特に初心者は、真円を出すだけで一苦労です。
リングサイズがしっかりと出せたら、それにデ
ザインに沿ったアウトライン(輪郭)を出すた
めに、ヤスリで削って整形していきます。
ここまでの形をベースとし、デザイン画を基に
トップに下絵を削り込みます。
これは”ケガキ
コンパス”を使うため”ケガく”ともいわれます。
次にケガいたラインに沿って、糸ノコギリで
カットしていきます。
ヤスリで形を整える事を考え若干、外側に
刃を入れます。
用途に応じて先端の付け替えをし、電動で先端を回転させてワックスを削ったり、仕上げでの研
磨に使う”リューター”を使用し、エッジを削り、丸みを出していく。
細かい削りなどの整形に使う”スパチュラー”も併用し、デザインが立体的になるように整えてい
きます。
ワックス原型製作工程の最終作業。
リングワックスの表面を紙ヤスリな
どで滑らかに整えていく。
細かいキズをしっかり消しておくこ
とで、キャストによる出来が断然良
いものになります。
業者に依頼し、ワックスからシ
ルバーへ転換。
キャストがあが
れば、最終仕上げの工程へ。
キャストが済んだ状態から、研磨の作業を繰り返
すとシルバー本来の色、輝きになります。
研磨はリューターの先端を、目の大きいものから、
細かいものへと段階を踏んで磨き込んでいきます。
研磨の仕上げには”バフモーター”という研磨剤を
ぬりこんで回転する機械にかけて(バフかけ)滑
らかさと輝きを出します。
最後に”超音波洗浄機”に10分程浸けて、布で磨
いて完成度をみる。
モノによって研磨を調節し完成度を高めます。
シルバーの輝き、完成度を表す言葉に「鏡面に仕上げる」というものがあります。